<mHAP>のフッ素:共通点と相違点

■う蝕予防効果

フッ素の予防歯科における役割は世界中で知られています。初めてアメリカの水道水に導入されたところ、子供の新たなう蝕の発生率は35-60%ほど減少(米政府によるデータ)。歯みがき剤の薬用成分、また臨床用のリンスやゲル状の塗布剤などとして、フッ素は古くから高く評価されています。ただし過剰摂取の場合、歯や骨のフッ素症も知られていますので、各国においてその使用量は制限されています。

それに対して、日本で開発された<mHAP>は、薬用成分としての認可を得るための臨地試験において、数年に渡り一日一回<mHAP>配合の歯みがき剤を使ったグループは、同成分のない歯みがき剤を使ったコントロール群と比べて、新たなう蝕の発生率は36-56%ほど減少しました。

なお、歯と骨の主成分であるHAPは、人体に優しい成分として知られています。

■作用機序

フッ素は反応性の高い元素として、唾液や歯みがき剤に含まれているカルシウムイオンとリン酸イオンのエナメル質への取り込みを促進します。それによって、エナメル質表面のハイドロキシアパタイトを耐酸性のより高い「フッ化アパタイト」(FAP)という物質に変化していきます。

それに対してナノ<mHAP>は、歯質とほぼ同じ組成の無機物質(リン酸カルシウム化合物)の超微粒子として、それ自体で歯面の表層下脱灰層を再石灰化します。さらに歯面のミクロの傷を充填修復し、ミュータンスなどの口腔内細菌を吸着し、除去しやすくします。

フッ素と作用が異なり、エナメル質表面の物性を変えることのない<mHAP>は、フッ素と同様に薬用成分であって、う蝕予防効果が認められています。

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