アパガード > 歯の事典 オーラルペディア > 口腔内のトラブル > 歯の微小欠損
歯のエナメル質は、体の中でもっとも硬い組織として知られていますが、実は以外とデリケートなものです。舌でさわると、その表面がスムースに感じるのですが、健康な歯でもその表面に無数のミクロの傷が付いています。
その様子を走査型プローブ顕微鏡(SPM)で見ると、写真のように、ミクロの傷は線状に観察されます。また同じSPM観察によるエナメル質表面の断面図では、表面のギザギザという粗さを図でも、数値でもあらわすことができます。
このミクロの傷は、強いブラッシングや硬い食べ物、または噛み合わせの問題など、様々な原因で起こります。
最も理想的な歯の状態は、ツルツルしていて透明感がありますが、このように微細な傷がつくと、歯の表面の屈折率は変わってきて、せっかくの歯の輝きは失われます。なお、ミクロの傷自体は むし歯ではありませんが、歯の表面が荒れてしまうと、むし歯菌や歯垢のよりどころになり、むし歯の原因になることがあります。また、ミクロの溝には、茶渋やタバコのヤニなどが付きやすいので、着色汚れの原因ともなります。
ミクロの傷で荒れたエナメル質を滑らかにするのに、歯科医師による表面研磨やコーティング、またはセルフケアとして薬用ハイドロキシアパタイトによる成分補給(微小欠損の充てん)など、様々な方法があります。
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