乳歯がむし歯になりやすい理由
歯の表面は体の中で一番固いエナメル質で覆われていますが、乳歯は大人の歯と比べてエナメル質が半分程度のあつみしかないので、一度むし歯になるとその進行が早くなります。
また乳歯の奥歯は溝が細かく、汚れが溜まりやすい形をしています。お菓子などの食べかすが、みがき残しも多くなりがちですから、その食べかすをえさにむし歯菌が酸を産生し、むし歯になりやすいところです。
口のなかでは歯のミネラルが溶ける脱灰と、唾液によってもとに戻す再石灰化を繰り返し行っています。
ですからエナメル質内に初期むし歯(脱灰してむし歯の一歩手前の状態)ができた場合でも治る可能性はあります。
むし歯にならないための予防法
むし歯にならないようにするためには自宅でのケアが欠かせませんので、そのケア方法もご紹介します。
■むし歯になりやすいところを重点的に歯みがきする
子どもは飲食頻度が多いので、毎回歯みがきをするのは大変ですね。歯みがきのうち最低一回は奥歯や歯と歯ぐきの間など、むし歯になりやすいところを重点的にみがくようにしましょう。特に寝る前は仕上げみがきをしてあげるようにしてください。
■エナメル質の修復をサポートする歯みがき剤を使う
エナメル質を強化すれば、むし歯になる確率を減らすことができます。再石灰化にかかわるむし歯予防成分フッ素や薬用ハイドロキシアパタイト(歯とほぼ同じ成分※)などを含んだ薬用歯みがき剤を使いましょう。
※エナメル質の97%、象牙質の70%はハイドロキシアパタイト。
■デンタルフロスを使う
一番むし歯になりやすい奥歯の歯と歯の間は、デンタルフロスを使ってもよいでしょう。気付かないうちにむし歯になってしまったということがないように。
乳歯のむし歯は永久歯にも影響しかねないことが問題です。
どうせ抜けてしまうのだからといって乳歯のむし歯予防を怠ると、永久歯もむし歯になるなど不便な思いをするかもしれません。
大人になってから困らないようにしっかりと予防をしましょう。