ハイドロキシアパタイト | APAGARD

ハイドロキシアパタイトはいどろきしあぱたいと

ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2はリン酸カルシウムの一種で、歯と骨の主成分です。
ヒトの身体の中では水とコラーゲンなどの有機物に次いで多く、骨の約60%、エナメル質の97%、象牙質の70%を占めています。また唾液にも多く含まれています。

なお自然界では鉱物や生体の構成成分として存在するハイドロキシアパタイトは、その生体親和性が高いことから、合成成分として医療機器や歯科材料(例えばインプラントのコーティング、骨形成の材料や人工歯根など)に広く使われています。
身近なところでは、健康食品や化粧品にも配合されています。

また、ハイドロキシアパタイトには独特の性質があり、結晶中の一部のイオンを置換してもその結晶構造を保つことができます。その結果、結晶中のイオンや結晶形状を微妙に制御する事で、タンパク質の選択的吸着機能や触媒機能の発現など様々な機能を持たせることができるので、化学工業の分野でも広く利用されている物質です。

ハイドロキシアパタイトの結晶構造

ハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO4)6(OH)2の構造式で示され、イオン欠損があっても結晶構造は安定という特徴をもっています。その結晶構造は、右の図(「歯と骨をつくるアパタイトの化学」岡崎正之著)のような六角柱状か、板状をしています。

ハイドロキシアパタイトの結晶構造

薬用ハイドロキシアパタイト

薬用ハイドロキシアパタイト(<mHAP(エムハップ)>)は、サンギが開発したむし歯予防の薬用成分のことです。

一部のOEMブランド商品にも配合されており、図の「<mHAP>インサイドマーク」がパッケージに必ずついていますので、このマークで確認ができます。

薬用ハイドロキシアパタイトは、リン酸とカルシウムから合成され歯を構成する天然ハイドロキシアパタイトに極めて近い組成で、歯に直接作用し、なじみやすいミネラル成分です。

なお、薬用ハイドロキシアパタイトはナノ粒子レベルで配合されています。

店頭に並んでいる歯みがき剤の中に「ハイドロキシアパタイト配合」と書かれても、<mHAP>インサイドマークがついていない商品を見かけます。パッケージ裏面の成分表示を見ると、そのハイドロキシアパタイトは研磨剤や基剤として配合され、むし歯予防の薬用成分である薬用ハイドロキシアパタイトとは効果も配合目的も異なります。

薬用ハイドロキシアパタイトは3つの作用でむし歯予防効果のある薬用成分として1993年に誕生しました。

薬用ハイドロキシアパタイトの3つの作用

  1. 歯垢の吸着除去: 歯の表面に付着した歯垢をからめとリ、除きやすくします。
  2. 微小欠損の充てん: 歯の表面についたミクロの傷を埋め、滑らかにし、歯垢や着色汚れをつきにくくします。
  3. 初期むし歯の再石灰化: エナメル質の表層下から溶け出したミネラルを補給し、表層下脱灰層(初期むし歯)を再石灰化、修復します。

ナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイト

2004年に開発されたナノテク・アパガードシリーズは、薬用ハイドロキシアパタイトをナノレベルに超微粒子化しています。

「ナノテク」とは「ナノテクノロジー」の略で、ナノメートル(nm)つまり十億分の一メートル(10-9m)のことです。この領域でモノを作ったり、これを利用することが最近の科学技術の発達に大きく貢献しています。

ナノの世界では物質が原子や分子の大きさに近づくため物質の特性や機能が変化し、大きなサイズでは見られなかった現象が生じるようになります。

ナノテクはIT(情報技術)、バイオテクノロジー、エレクトロニクスなどさまざまな産業分野と融合して、新しい素材や技術を誕生させることが期待されています。

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